木曽三川の輪中で営む、健康で長生きの酪農スタイル
愛知県の西部、名古屋の都心部ともほど近い場所に位置する加藤牧場。三重県・岐阜県との県境にあり、木曽川と長良川に挟まれた「輪中」で酪農を営んでいます。
衛生管理が行き届いた屋根の高い明るいフリーストール牛舎(牛を繋がずに自由に歩き回れるスペースを持った牛舎)には、現在120頭の牛たちが暮らし、加藤さん家族とアルバイトさんを含む4名で飼育しています。写真は息子さんです。
「牛を良く観察すること。牛を大切にすること。」をモットーに、加藤牧場での仕事は早朝5時過ぎからスタートします。餌やりや牛舎の掃除、搾乳などを済ませた後、9時30分頃に朝食をとり、堆肥の配送に取り掛かります。遠い所は名古屋市内まで配送します。17時頃から2回目の搾乳を始めて、20時に作業終了。22時にはもう一度牛をチェックします。どんなに疲れていても夜回りは毎晩欠かしません。
そして加藤牧場の大きな特色と言えるのが健康で長生きの牛を育てる「長命連産」です。通常、乳牛は一生のうち平均2.8回子どもを産みますが、加藤牧場では3.3回と上回ります。具体的には、牛に負担をかけないよう搾乳量を減らしたり、牛舎環境や給与飼料を工夫することで、牛が健康で長生きし良質な生乳を効率よく生み出す取り組みを行っています。こういった酪農家の工夫が、おいしい牛乳の安定した供給に結びついているのですね。
また加藤牧場では、牛糞からつくった堆肥を周辺農家に販売するほか、地域に開かれた「酪農教育ファーム」として牧場の見学や作業体験、子牛とのふれあい、乳搾り体験などを受け入れています。
「酪農に対して、理解されていると感じられる瞬間は本当にうれしいですね。」と加藤さん。最後に「僕が毎日搾っている新鮮な牛乳を地元の皆さんに飲んでもらいたい」とメッセージを頂きました。