朝早くから酪農家は専用の機械ミルカー(搾乳機)を使い、衛生的に生乳を搾ります。搾った生乳は35℃近くあるため、バルククーラー(冷蔵貯蔵タンク)で徹底した温度管理のもと一時保管されます。酪農家は、毎日牛舎を掃除したり、えさを工夫したりして、牛が健康に暮らす環境をつくり、愛情をもって育てています。人間同様に乳牛は子どもを産んではじめてミルクを出します。生き物が相手なので酪農家の仕事に休みはありません。
専用のタンクローリーで各酪農家を巡回して毎日集乳し、クーラーステーション(CS)に集めたり、直接乳業メーカーに送乳したりします。クーラーステーションとは、小さなタンクローリーで酪農家から集めた生乳を一時保管し、大きなタンクローリーで効率よく生乳を乳業メーカーに出荷するための一時保管施設です。
酪農家が出荷した生乳は集乳時、CSや乳業メーカーの受入時に検査を行い、基準をクリアしたものだけを使用します。
タンクローリーで各乳業メーカーの工場へ搬入します。工場では、生乳から牛乳や乳製品などを作っています。安全・安心な製品づくりのために、ここでもさらに乳業メーカー独自の検査が行われ、合格した生乳だけが加熱殺菌処理をして牛乳になります。またお店への出荷前も抜き取り検査が行われます。
乳業メーカーの検査に合格した牛乳は、保冷庫でスーパーマーケットや牛乳販売店に出荷されます。こうして毎日、新鮮でおいしい牛乳がご家庭に届きます。
皆さんが飲む牛乳は、毎日機械的に生産されていると思われがちですが、安全な牛乳が飲めるのは、健康な牛を育てて幾重にも厳しいチェックをクリアした品質の良い生乳を搾乳している酪農家がいるから。新鮮さは牧場に近い地元の牛乳が一番です。